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HOME  > 研究成果  > 専攻NOW  > 第1回 平山隆志准教授

第1回 植物の環境応答を研究する環境生物学研究室の平山隆志准教授

生体超分子科学専攻に所属する皆さんにスポットを当ててインタビューし、専攻の今をリアルタイムでお伝えする「生体超分子専攻NOW」。

今回は、植物研究の専門家で環境応答を研究している平山隆志准教授にお話を伺いました。

研究内容について

まず、先生のご研究の内容からお伺いしたいのですが、どのようなご研究をなさっているのでしょうか?

今は植物の環境応答(*1)について、モデル植物であるシロイヌナズナ(*2)を使って研究を行っています。

植物の環境応答というと、どのようなものなのでしょうか?

生物というのは、常に周りの環境の変化に応答して生きています。たとえば、人間でも、強い日射しの日には、日陰に入りたいと思うでしょう?そのように、生物というのは、周りに順応する力を持っています。私は環境に対する植物の応答に興味があって、研究しているのです。

どのような方法で研究をなさっているのでしょうか?

基本的には遺伝学的解析といって、突然変異株を分離しその性質を調べ、原因遺伝子を同定し、その機能を調べることにより、植物の環境応答機能を明らかにしようとしています。その過程で、マイクロアレイ法(*3)を使って網羅的に転写物を調べたり、共焦点レーザー顕微鏡を使っての細胞生物学的解析も行っています。

そのような植物研究の魅力を教えていただけますか?

植物研究の魅力の一つは、他の生物種と比べて、まだわかっていないことが多く、まだまだ未知のことがたくさんあります。モデル植物であるシロイヌナズナやイネのゲノム配列が決定されていますが、これらのうちの4割ほどの遺伝子の機能は全くわかっていません。

将来、どのようなことに役に立つのでしょうか?

たとえば、砂漠の緑化、耕地に使えないところでも育つ有用植物の開発・育成技術などが考えられますね。植物の研究は、地味なように見えますが、食料問題やエネルギー問題に直結する人類にとって重要なテーマなのです。

教育について

大学院教育で、もっとも力を入れていることは、どのようなことでしょうか?

実験や研究で、独自性というか、自分でアイデアが出せる能力を養うことです。研究者としては、もちろん、社会に出たときに一番重要な資質だと思っています。

平山先生の研究室に入るには、どのような勉強をしておくべきでしょうか?

とくに、専門的なことを勉強する必要はないですが、基礎学力、とくに英語の勉強は重要です。基本的なことは、この生体超分子科学専攻で行われる講義や実習の中で学んでいけばよいと思います。ここでの講義は選択制になっていて、これまで皆さんが学んできたバックグランドにかかわらず、十分に理解しながら学習できるように配慮されています。また、専門的なことは、研究室に入った後、植物とつきあいながら覚えていくということでいいと思っています。

先生の研究室で学んだ学生は、卒業後、どのような進路に進んでいますでしょうか?

アメリカに留学して立派な研究者になった学生もいますし、食品や化学などの企業に就職して、やりがいのある仕事をして社会で頑張っている人もいます。

研究/教育環境について

理研からの客員研究員ということですが、どのように市大で研究や教育を行っているのでしょうか?

所属は、理研の和光研究所なのですが、市大の鶴見キャンパスに研究室があって、毎日、鶴見キャンパスで研究をしています。市大の鶴見キャンパス実験棟5階には植物実験室があり、設備も整っています。鶴見キャンパスには、理研の植物科学研究センターもあり、そこの研究者の方々と、研究上のディスカッションができるというのも魅力です。理研にある研究設備も利用しています。学生の人たちも、いろいろなミーティングに参加し情報を交換し、勉強に役立てています。

研究経歴について

大学時代から、今まで、どのようなご経歴で研究をされてきたのでしょうか?

大学では、バクテリア、マイコプラズマの研究をしてきました。大学院に入って、植物に感染するバクテリアの遺伝子の研究をしました。大学に技官として就職して、植物の遺伝子の研究をはじめました。わりと、いろいろな研究の分野を渡り歩いたと思います。そのことで、事象をいろいろな角度から見る癖が付いたようで、とても良かったと思っています。

海外留学のご経験はおありですか?

アメリカのペンシルバニア大学に、2年間いたことがあります。配属した研究室がとてもアクティブで、ポスドクなどの研究者と暇さえあれば熱い議論をしていたのが、いい思い出です。

最後に、鶴見キャンパスを目指す学生の皆さんに一言お願いします。

「百聞は一見に如かず」です。ぜひ一度、鶴見キャンパスに遊びにきてください。連絡をもらえれば、話を聞きに来るだけでも大歓迎です。きっと、いろいろな意味で視野が広がるのではないかと思いますよ。

本日は、環境生物学研究室の平山隆志準教授にお話をいただきました。詳しい研究内容などの情報を知りたい方は、先生のホームページをご覧ください。平山先生、今日は、お忙しいところ、どうもありがとうございました!

Profile

平山 隆志(ひらやま たかし)
理学博士(1992年京都大学)、1992年理化学研究所篠崎植物分子生物学研究室研究員、1996年ゲノム科学総合研究センター・植物ゲノム機能情報研究グループ・上級研究員(兼務)を経て、2006年4月より工藤環境分子生物学研究室先任研究員。2001年4月より横浜市立大学大学院総合理学研究科大学院客員準教授。

Keywords

(*1) 環境応答
生物は、温度、光などの物理化学的な環境の変化はもとより栄養条件、他の生物との相互作用などの生物学的な環境を察知しそれに適応する能力が備わっている。そのしくみを理解することは、生物の本質を明らかにする事につながり、また一方で、例えば環境の変化に強い作物の開発にも応用することができ、重要な研究とされている。

(*2) シロイヌナズナ
アブラナ科の1年草の双子葉植物。生長個体で背丈が約30センチ程と小さい。一世代の長さが1〜2ヶ月と短い、遺伝学的解析ができる、ゲノムサイズが150Mbp程度と他の植物に比べ極端に小さい、などの長所があり、研究用のモデル植物として整備され世界各国で使われている。2000年に国際協力の下、全ゲノム配列が決定されている。

(*3) マイクロアレイ法
転写物(mRNA)の量を網羅的に調べる実験手法で、スライドガラスなどの基板上に何千〜何万種類ものcDNAや合成DNAを固定化し(基板自体をマイクロアレイと呼ぶ)、そこに標識したmRNAを結合(ハイブリダイズ)させることによってmRNA量を推定する。この技術によりゲノムワイドかつダイナミックな転写変動を調べることが可能となり、遺伝子発現調節の理解が格段に進んだ。