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第51回日本生物物理学会年会のシンポジウム「相関構造生物学とX線溶液散乱」のご報告。




< シンポジウムの感想文 >

新学術領域「天然変性タンパク質の分子認識機構と機能発現―生理的準安定状態を捉える新技術―」
共催第51回日本生物物理年会シンポジウム「相関構造生物学とX線溶液散乱」に参加して

平成25年10月28日~10月30日にかけて京都国際会館にて開催された第51回日本生物物理年会に参加しました。この時期はちょうど紅葉の季節に重なったため会場に向かう地下鉄の駅を出たあとすぐに、紅葉した比叡山のとても美しい光景が一面に広がっていました。本年会内で新学術領域「天然変性タンパク質の分子認識機構と機能発現」との共催によるシンポジウム「相関構造生物学とX線溶液散乱」が領域代表である横市大の佐藤先生と高エネ研の清水先生により開催されました。X線溶液散乱(SAXS)の応用研究や解析方法開発を行っている研究者が一堂に会したシンポジウムで彼らの最新の成果を聴くことができました。東薬大の小島先生はSAXSのデータに更に核磁気共鳴法により得られた拘束条件を化すことで詳細な立体構造を決定する手法を開発しました。この手法により複数のタンパク質の詳細な立体構造を決定することに成功を収めました。慶大の苙口先生はSAXSデータに対して分子動力学法により計算された構造のアンサンブルを精密化する方法を用いタンパク質の動的な構造解析する手法を開発し、成功を収めています。SAXSの低解像度の情報には原子レベルの情報が非常に多く含まれていることを感じられ、これまでの立体構造の様々な解析方法と組み合わせることで適用の範囲が広がっていくことを予想させるものでありました。会場内は人で溢れかえるような状態で、席に座れずに立って傍聴する方も多数見受けられました。また質疑応答も活発に行われ、何人も質問用のマイクの前に並んでいた姿が印象に残っています。むせかえるような熱気を帯びた会場内で私にかぎらず多くの研究者のX線溶液散乱のもたらす結果への期待の高まりを非常に強く感じました。今後のSAXSの発展にも注目していきたいと思います。


名古屋大学 大学院情報科学研究科 雨宮 崇之



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