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計画研究

  佐藤班 「天然変性タンパク質の新規構造解析法の開発」

研究代表者:佐藤 衛 横浜市立大学大学院生命ナノシステム科学研究科・教授
研究分担者:安藤 敏夫 金沢大学数物科学系・教授

 天然変性タンパク質(IDP)及び天然変性(ID)領域を含むタンパク質の動的構造解析は既存の方法では困難です。そこで、本計画班ではMD-SAXS法と高速AFM法を発展させて、動的に大きく揺らいでいるIDPの新規構造解析法の開発を目指します。
 X線小角散乱(SAXS)法はタンパク質のナノ解像度での構造解析に利用されていますが、揺らいでいるタンパク質分子からのX線散乱は時間的に平均されて揺らぎの情報が消失しています。そこで、SAXS法と分子動力学(MD)シミュレーションとを組み合わせたMD-SAXS法を新たに開発し、タンパク質の揺らぎを原子分解能で解析してきました。本研究では、MD-SAXS法をより複雑な系、すなわち、IDPやドメイン間に大きなID領域があるために分子全体が大きく揺らいでいるIDPやID領域を含むマルチドメインタンパク質(全長)に拡張してそれらの動的構造を原子分解能で解析できるシステムの開発を目指します。


 また、高速原子間力顕微鏡(高速AFM)では、これまでにミオシン分子がアクチンフィラメント上を二足歩行する動態を捉えるとともに、この手法を長大なID領域を含むマルチドメインタンパク質に適用し、高速AFMが不規則構造を含むタンパク質にも応用できる汎用性の高い手法であることを見出しました。そこで、本研究では、高速AFMによるタンパク質のID領域のナノ解像度での動態解析を行うために、機能に対応した動態変化を可視化し、分子間相互作用の本質の理解を深めていきます。また、他の手法による解析結果に高速AFMによって視覚化される揺らぎ情報を加えてID領域の構造と機能との関連を明らかにしていきたいと考えています。



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